『エル・ドラド』は、1966年に公開されたアメリカの西部劇映画で、ハワード・ホークスが監督し、ジョン・ウェインとロバート・ミッチャムが主演を務めました。若き日のジェームズ・カーンも重要な役で出演し、3人の強力なキャストが魅力的な物語を紡ぎ出しています。映画は、ホークスの他の西部劇、特に『リオ・ブラボー』(1959年)と比較されることが多く、類似のテーマを持ちながらも、異なるキャラクター展開とユーモアに溢れた作品です。
脚本は、ホークスと長年コンビを組んでいたリー・ブラケットが手掛け、物語はハリー・ブラウンの小説『The Stars in Their Courses』を基にしていますが、大幅に脚色されています。友情、名誉、自己犠牲を中心にしたテーマが物語の核心をなしており、西部劇ファンだけでなく、幅広い観客に向けて制作されました。
映画『エル・ドラド』あらすじ
『エル・ドラド』は、ベテランガンマンであるコール・ソーントン(ジョン・ウェイン)が、旧友でありながら現在はアルコール依存症に苦しむ保安官J.P.ハラー(ロバート・ミッチャム)を助けるためにエル・ドラドの町に戻るところから物語が始まります。町は、悪徳地主バート・ジェイソンによる圧力に晒されており、ハラーは自分の問題からくる無力さに悩んでいます。
ソーントンは、若いナイフ使いのミシシッピ(ジェームズ・カーン)や、老練なスカウトマンでインディアン戦士のブル・ハリス(アーサー・ハニカット)と協力して、ジェイソンの陰謀から町を守るための戦いに挑みます。彼らは互いに助け合い、次第にハラーもアルコール依存からの立ち直りを目指します。
内容 | 詳細 |
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開始 | コール・ソーントンがエル・ドラドに到着し、旧友ハラー保安官を助けるために協力する。 |
途中 | ソーントンと仲間たちが、アルコール依存に苦しむハラーを支えながら、バート・ジェイソンとその手下に対抗する。 |
終盤 | ソーントンとハラー、ミシシッピ、ブルが力を合わせ、最終的にジェイソンの一味を倒す。 |
映画『エル・ドラド』ネタバレ
クライマックスでは、コール・ソーントンと彼の仲間たちが、悪党バート・ジェイソンの一味を相手に決戦を挑みます。ハラー保安官はアルコール依存症からの回復を試みつつ、町を救うために再び銃を手に取り、ソーントンと共に戦い、ついにジェイソンを打ち負かします。最終的には、ソーントンがこれまでの放浪生活を終え、町にとどまるかもしれないというほのめかしがあり、物語は締めくくられます。
内容 | 詳細 |
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クライマックス | ソーントンとハラーがジェイソンの一味を倒し、町を守る。 |
結末 | ソーントンがエル・ドラドの町にとどまる可能性が示唆される。 |
映画『エル・ドラド』考察
『エル・ドラド』は、単なるアクション映画としての西部劇にとどまらず、友情や自己犠牲、名誉といったテーマを深く描いています。特に、コール・ソーントンとJ.P.ハラー保安官との友情が物語の中核を成しており、ソーントンの冷徹なガンマンとしての一面と、ハラーとの絆が成長していく過程が描かれています。
また、ハラー保安官のアルコール依存症との闘いも重要なテーマの一つであり、彼が困難を乗り越えながら町を守る姿は、単なる西部劇以上のリアルさと深みを持っています。監督のハワード・ホークスは、この映画を通じて、男性同士の友情と信頼の重要性を強調しており、それが観客に強く響きます。
ホークスは、自身の作品について「友情が何よりも強い感情だ」と述べており、アクションや銃撃戦が目立つ西部劇でありながら、キャラクター同士の絆が物語の柱になっていることが、この映画を特別なものにしています。
映画『エル・ドラド』キャスト
俳優名 | 役柄 | 過去の代表作 |
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ジョン・ウェイン | コール・ソーントン | 『捜索者』(1956)、『リオ・ブラボー』(1959) |
ロバート・ミッチャム | J.P. ハラー保安官 | 『恐怖の岬』(1962)、『夜の大捜査線』(1967) |
ジェームズ・カーン | アラン・”ミシシッピ”・トラハーン | 『ゴッドファーザー』(1972)、『誓いの休暇』(1973) |
エド・アズナー | バート・ジェイソン | 『アップ』(2009)、『ルー・グラント』(TVシリーズ) |
アーサー・ハニカット | ブル・ハリス | 『ビッグ・スカイ』(1952)、『キング・オブ・ザ・テキサンズ』(1959) |
映画『エル・ドラド』原作
『エル・ドラド』は、ハリー・ブラウンの小説『The Stars in Their Courses』を基にしていますが、映画版では多くの変更が加えられています。原作はより悲劇的な内容であり、主要キャラクターたちが悲惨な結末を迎えます。しかし、ホークス監督はこの悲劇的なトーンを軽減し、よりユーモアとアクションを重視した物語へと改変しました。彼自身も「悲劇的な要素が強すぎる」と感じ、映画の脚本を再構築したと言われています。
映画『エル・ドラド』評価
『エル・ドラド』は、その公開当初から批評家から非常に高い評価を受けました。ニューヨーク・タイムズのハワード・トンプソンは、この映画を「厳格で風刺的な西部劇」と評し、ベテラン俳優たちが見事にキャラクターを演じている点に高い評価を与えました。ロジャー・イーバートも、映画に3.5つ星を与え、「緊密に演出され、ユーモラスで成功した作品」として称賛しました。
興行成績も好調で、公開当初から多くの観客を魅了し、今もなお西部劇のクラシックとして評価されています。特にジョン・ウェインとロバート・ミッチャムの演技は、映画全体を盛り上げる要素として非常に重要であり、彼らの強力なコンビネーションは、この作品の魅力をさらに高めています。
内容 | 評価 |
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批評家の評価 | 演技、脚本、友情のテーマが高く評価され、西部劇の名作として称賛された |
観客の反応 | ウェインとミッチャムの掛け合いや、アクションシーンが特に好評を博した |
『エル・ドラド』は、単なる西部劇の枠を超えた、友情と成長の物語として、多くのファンに愛され続けている作品です。