1982年に公開された『コナン・ザ・グレート』は、ファンタジー・アクション映画の金字塔とされる作品で、ジャンルとしてはエピック・ファンタジーと冒険アクションに分類されます。この映画は、ロバート・E・ハワードが1930年代に執筆した「コナン・ザ・バーバリアン」シリーズを原作とし、壮大な冒険と復讐の物語を描いています。監督のジョン・ミリアスは、ハワードの作品の持つ暗く壮大な世界観をスクリーンに再現しつつ、主人公コナンの成長と彼が見出す力の意味を中心に据えています。
映画『コナン・ザ・グレート』あらすじ
映画は、邪悪な宗教カルト「セットの蛇教団」のリーダーであるサルサ・ドゥーム(ジェームズ・アール・ジョーンズ)によって、幼い頃に家族を殺されたコナンの物語から始まります。奴隷として捕らえられたコナン(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、過酷な労働と戦闘訓練を経て強靭な戦士へと成長し、ついに自由を手に入れます。解放されたコナンは、サルサ・ドゥームへの復讐を誓い、旅の中で仲間たちと出会い、邪悪な教団との壮絶な戦いに挑んでいきます。物語の進行と共に、コナンが単なる復讐者から、英雄としてのリーダーへと成長していく様子が描かれます。
映画『コナン・ザ・グレート』ネタバレ
映画のクライマックスでは、コナンが仲間たちと共にサルサ・ドゥームの要塞を襲撃し、最終的にはドゥームとの直接対決に挑みます。長年の恨みと怒りを燃やしながら、コナンは復讐を果たすためにドゥームを倒します。この場面は、単にアクションの頂点を示すだけでなく、コナンが彼の過去のトラウマを克服し、強いリーダーへと成長する瞬間を象徴しています。映画は、コナンが得た教訓や新たな目標を示唆しながら幕を閉じます。
映画『コナン・ザ・グレート』考察
この映画は、ロバート・E・ハワードの作品の世界観を忠実に再現しつつ、「力」と「自由」の意味を探る哲学的なテーマも持っています。監督のジョン・ミリアスは、主人公コナンの過酷な成長過程を描くことで、観客に対し人生の困難を乗り越える強さや、自分の力をどのように活かすべきかを考えさせます。また、コナンを演じるアーノルド・シュワルツェネッガーの肉体的な存在感は、キャラクターの強さと決意を象徴的に表現しています。
映画『コナン・ザ・グレート』キャスト
主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは、鍛え抜かれた肉体と圧倒的な存在感でコナン役を見事に演じました。この役は、シュワルツェネッガーにとって大きなブレイクとなり、後のアクションスターとしてのキャリアを築くきっかけとなりました。悪役サルサ・ドゥームを演じたジェームズ・アール・ジョーンズは、その深い声とカリスマ性で観客を魅了し、悪役としての強い印象を残しました。また、サンダール・バーグマンは、コナンの仲間であり恋人でもあるヴァレリア役を演じ、彼女の強さと勇気が物語を支える重要な要素となっています。
映画『コナン・ザ・グレート』原作
映画『コナン・ザ・グレート』は、ロバート・E・ハワードの「コナン」シリーズを基にしています。このシリーズは、古代の架空の世界「ハイボリア時代」を舞台に、野性的で強靭な英雄コナンの冒険と成長を描いています。原作のハワードは1930年代に数多くの短編小説や中編小説を執筆し、彼の作品は後に多くの漫画や他のメディアで再解釈されてきました。映画はその中でも主要なエピソードを取り上げつつ、独自の解釈を加えています。
映画『コナン・ザ・グレート』評価
公開当初、『コナン・ザ・グレート』は、壮大なアクションシーンとシュワルツェネッガーの存在感が評価されました。一方で、物語のシンプルさや暴力的な描写について批判もありました。しかし、映画はその後カルト的な人気を獲得し、ファンタジー映画の名作として多くのファンに支持され続けています。興行成績においても成功を収め、続編やリブートが制作されるきっかけとなりました。
映画『コナン・ザ・グレート』見どころ
この映画の見どころは、何と言っても壮大なアクションシーンと幻想的な映像美です。広大な砂漠や古代の遺跡を舞台に繰り広げられる戦闘シーンは、観客に強い印象を与えます。また、バジル・ポールドゥリスによる重厚な音楽は、物語の壮大さや感情の高まりを強調し、映画の雰囲気を一層引き立てています。シュワルツェネッガーの肉体的なパフォーマンスと、ジェームズ・アール・ジョーンズのカリスマ性も見逃せないポイントです。
『コナン・ザ・グレート』は、剣と魔法の時代を舞台にした壮大な冒険物語として、ファンタジー映画の歴史に名を刻む作品です。その後のファンタジー映画やアクション映画に多大な影響を与え、今なお多くのファンに愛されています。