映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、2013年に公開された日本のアニメーション映画。2011年にフジテレビのノイタミナ枠で放送された人気テレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のその後を描いた物語。幼い頃に事故で亡くなった少女と、その死をきっかけに疎遠になってしまった幼馴染たちの心の再生と成長を描いた感動のストーリー。長井龍雪監督のもと、入野自由、茅野愛衣ら実力派声優陣が主要キャラクターに命を吹き込む。
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のあらすじ
あの夏の奇跡から1年後。成長した宿海仁太(じんたん)たちは、それぞれの人生を歩み始めていた。しかし、彼らの心には、今もなお、幼い頃に事故で亡くなった本間芽衣子(めんま)への想いと、あの夏の忘れられない思い出が残っていた。そんな中、じんたんは、めんまが残した手紙を見つける。そこには、「みんなに伝えたいことがある」と書かれていた。めんまの願いを叶えるため、再び集まる幼馴染たち。しかし、あの夏と同じように、彼らの心はすれ違い、葛藤を生んでいく。
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のネタバレ
めんまの手紙は、実はめんまが伝えたがっていた「お願い」ではなく、めんまの母親が娘の願いとして代筆したものだった。めんまの本当の願いを知るため、じんたんたちは、めんまの母親との再会を果たす。そこで明かされるのは、めんまが幼い頃に、じんたんのために織ろうとしていたマフラーのことだった。
じんたんたちは、めんまの母親からマフラーの編みかけを受け取り、自分たちの手で完成させようと決意する。しかし、マフラー作りを通して、再び過去の傷と向き合うことになる彼ら。めんまへの想いの強さから、互いにぶつかり合い、心がバラバラになってしまう。
そんな中、めんまが再び彼らの前に姿を現す。しかし、めんまの姿が見えるのは、じんたんだけだった。じんたんは、めんまとの最後の時間を大切に過ごそうとするが、めんまは、みんなに自分の気持ちを伝えたいと願っていた。
じんたんは、めんまの願いを叶えるため、再びみんなを集め、めんまへの想いを伝える場を作る。そこで、彼らは、めんまを亡くした悲しみ、そして、めんまへの変わらぬ愛情を分かち合う。そして、ついに、めんまは、みんなに感謝の気持ちを伝え、天国へと旅立つ。めんまとの別れは、再びじんたんたちを深い悲しみに突き落とす。しかし、彼らは、めんまとの思い出を胸に、前向きに生きていくことを決意する。
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の考察
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、喪失と再生、そして、永遠に続く友情を描いた感動的な物語。思春期の少年少女たちの心の揺れ動き、葛藤、成長を通して、人が人を想う気持ちの尊さ、そして、生きていることの素晴らしさを教えてくれる。
特に、めんまの死という悲劇を乗り越えようとするじんたんたちの姿は、観る者の心を強く揺さぶる。彼らは、めんまとの思い出を通して、自分自身の弱さと向き合い、成長していく。そして、最終的には、めんまの死を受け入れ、未来に向かって歩み始める。
また、映画は、人と人とのつながりの大切さも描き出す。じんたんたちは、めんまを亡くしたことで、バラバラになってしまっていた。しかし、めんまの願いを叶えるために、再び集まることで、彼らの心は再び繋がっていく。
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のキャスト
キャスト | 役名 | 代表作 |
---|---|---|
入野自由 | 宿海仁太(じんたん) | 「千と千尋の神隠し」(ハク) |
茅野愛衣 | 本間芽衣子(めんま) | 「ギルティクラウン」(楪いのり) |
戸松遥 | 安城鳴子(あなる) | 「ソードアート・オンライン」(アスナ / 結城明日奈) |
櫻井孝宏 | 松雪集(ゆきあつ) | 「コードギアス 反逆のルルーシュ」(枢木スザク) |
早見沙織 | 鶴見知利子(つるこ) | 「魔法科高校の劣等生」(司波深雪) |
近藤孝行 | 久川鉄道(ぽっぽ) | 「テニスの王子様」(忍足侑士) |
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の原作
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、2011年にフジテレビのノイタミナ枠で放送されたオリジナルテレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」を原作とする。テレビアニメ版の脚本は岡田麿里が担当し、繊細な心理描写と感動的なストーリーで高い評価を得た。
映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の評価
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、公開当時、アニメファンのみならず、幅広い層から高い評価を受けた。興行収入は10億円を超え、2013年のアニメ映画興行収入ランキングで上位にランクインした。
映画は、感動的なストーリー、魅力的なキャラクター、美しい映像と音楽が高く評価され、第37回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。また、海外の映画祭でも上映され、多くの観客の涙を誘った。