映画「怪物の木こり」(原作:倉井眉介、宝島社文庫)は、2019年第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した小説の実写映画化です。
怪物の木こり 映画 ティムバートン
ティム・バートンは言わずと知れた映画監督で、その作品は古くは「ビートルジュース」「シザーハンズ」から「チャーリーとチョコレート工場」そして「ビッグ・フィッシュ」などがあります。この作品中の前半で、サイコパス弁護士・二宮と会話をするサイコパス脳神経外科医・杉谷のパソコンに表示されたあるBlu-rayリリースの案内に注目です。
それが『怪物の木こり』で、上に小さく”鬼才”ティルム・バートンの名がありますね~。絵本と絡めたこのドロドロとした雰囲気の設定を観ていると、もしかしてティム・バートン作品に対するオマージュも含まれているのかなぁと感じてしまいます。
怪物の木こり 映画 r指定
この映画のR指定は”16+”となっています。主に登場人物らが平然と人を殺してしまうシーンが多く、また犠牲となった大人から子供まで悲惨なストーリーにぞっとさせられます。当然流血シーンも沢山出てきますので、暴力的なモノが苦手な方は注意が必要です。
特に、このストーリーは多くの子供たちが犠牲となっている点も嫌な気分にさせられます。謎の猟奇殺人事件の犯人が行っていくのが、ターゲットを斧で襲い脳を持ち去ってしまうという衝撃的なものですが、その事自体の直接的な犯行映像は無く、主に警察署でのチラリと映る写真と説明する言葉に限られています。
怪物の木こり つまらない
この映画がつまらないと感じる方もそれなりにいらっしゃるようですね。三池監督の作品という事で、流血多めで納得という方もいれば、思っていたよりマイルド表現で少しガッカリという意見もあったりします。また、大きな盛り上がりが無く・・、とかサイコパス人間が大量に登場し過ぎて違和感を感じる等々、様々な反応が見られる作品のようです。
私は最初に主人公の二宮がもともとどうしようもない性格の子供だったのを、両親が何とかしようとしてこの脳チップを使うロボトミーの様な手術を受けさせたという話を信じていました。でも実は逆だったという切ない事実にちょっと二宮に同情し、また犯人にも彼なりに大きな心情を抱えていた事も分かって来て、サイコパスとか猟奇殺人とかは関係なく、そのそれぞれの揺れ動く心情の変化など人間模様が面白いと思いました。
それを演じる亀梨和也さん、中村獅童さんの演技力に注目です。そんなサイコパスに変えられてしまった彼らに対して、もともとその気質を持っていた殺人犯・東間夫婦や脳神経外科医・杉谷の存在こそが怖く感じます。
怪物の木こり 原作
怪物の木こり あらすじ
物語は、斧を使って脳を奪い去る連続猟奇殺人事件を描きます。次のターゲットは弁護士・二宮彰。しかし、彼もまた狂気のサイコパスでした。
警察は二宮を追い、彼は犯人への逆襲を企てます。追う者と追われる者が入れ替わる先読み不可能な展開が続き、驚愕の結末が待ち受けます。
怪物の木こり 監督&キャスト
監督は三池崇史、主演は亀梨和也(弁護士・二宮彰)。他キャストには菜々緒(プロファイラー・戸城嵐子)、吉岡里帆(二宮の婚約者・荷見映美)、染谷将太(協力者のサイコパス医師・杉谷九朗)、中村獅童(過去の殺人事件の容疑者・剣持武士)などが名を連ねます。主題歌はSEKAI NO OWARIが担当。