『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、多くのファンから賛否両論を巻き起こした作品です。特に、冒頭でジョン・コナーが殺害されるシーンや、T-800が再び登場する理由、そして映画全体に感じられるポリティカル・コレクトネスの要素が議論の的となりました。本記事では、この映画がなぜ「ひどい」と感じられるのか、T-800がなぜ生きているのか、そしてポリティカル・コレクトネスの観点からどのように批判されているのかを詳しく探っていきます。
ターミネーターニューフェイト:ひどい
『ターミネーター:ニュー・フェイト』に対して「ひどい」という声が上がる主な理由はいくつかあります。以下にその主なポイントを挙げます。
ストーリーとキャラクター
- ストーリーの展開:
- 映画の冒頭で、過去作の重要キャラクターであるジョン・コナーが突然殺される展開が多くのファンに衝撃を与え、否定的な反応を引き起こしました。これは『ターミネーター2』の出来事を無駄にしてしまうと感じたファンが多かったためです。
- 新キャラクターの導入:
- ダニー・ラモスやグレースなどの新キャラクターが導入されましたが、彼らがジョン・コナーのような強いインパクトを持たなかったという意見がありました。特に、ダニーが新しい「救世主」として描かれることに対して、共感や感情移入がしにくいという批判がありました。
演出とアクション
- アクションシーン:
- アクションシーンが過剰であり、ストーリー性やキャラクターの深みが犠牲になっていると感じた人もいました。特にCGIの使用が多すぎるとの指摘があります。
継続性とオリジナル作品への敬意
- 継続性の欠如:
- 過去の作品との整合性や継続性が欠如していると感じたファンもいました。『ターミネーター2』の後の出来事を無視するかのような展開が、不満を引き起こしました。
期待値とのギャップ
- 期待に応えられなかった:
- 長年のファンの多くが高い期待を持っていたため、その期待に応えられなかったことが否定的な反応を招きました。特にジェームズ・キャメロンがプロデューサーとして戻ってきたことへの期待が高かったため、その期待に見合わないと感じたファンが多かったです。
これらの要素が重なり、多くのファンや批評家から否定的な評価を受けることになりました。もちろん、映画を楽しんだ人々もいますが、上記の理由から「ひどい」と感じた人が多かったと考えられます。
ターミネーターニューフェイト:t800 なぜ生きてる
『ターミネーター:ニュー・フェイト』でT-800が再び登場する理由は、映画内で詳細に説明されています。映画の冒頭で、サラ・コナーとジョン・コナーがメキシコで静かに過ごしているところに、突然T-800が現れ、ジョンを殺害します。このT-800は、未来のスカイネットによって送り込まれたもので、映画『ターミネーター2』で破壊されたT-800とは異なる別の個体です。
ジョンを殺した後、このT-800はミッションを完了し、スカイネットからの指示がなくなります。これによって彼は自由となり、自分の存在意義を見出すために人間社会で生活を始めます。名前をカールと名乗り、普通の人間として家庭を持ち、人間らしい生活を送るようになります。この過程で、彼は罪悪感や後悔の念を抱き始め、過去の行いを反省するようになります。
サラ・コナーは、カールが送ってくる暗号化されたメッセージを追跡し、他のターミネーターが現れるたびにそれを破壊する活動を続けていました。カール自身もサラの協力を得ることで、未来からの脅威に立ち向かう決意を固めます。こうして、かつての敵であるT-800とサラ・コナーが共に新たな脅威に立ち向かうという異色の共闘が実現します。
このT-800がなぜ生き残っているのか、そしてなぜサラ・コナーと協力するに至ったのかという点は、映画の中で重要なテーマとして描かれています。彼の存在は、過去の行いに対する贖罪の物語ともなっており、単なる敵役から複雑なキャラクターへと進化しています。この新しいT-800の描写は、シリーズに新たな視点をもたらし、従来のファンにも新しい驚きを提供しています。
ターミネーターニューフェイト:ポリコレ
『ターミネーター:ニュー・フェイト』に対して「ポリコレ」(ポリティカル・コレクトネス)という批判が出ることがあるのは、特にキャスティングやキャラクターの設定に関する部分です。
まず、映画では女性キャラクターが非常に強調されています。主要キャラクターであるサラ・コナー、ダニー・ラモス、そして強化兵士のグレースがストーリーの中心となっており、これが一部の視聴者には過度なポリティカル・コレクトネスと感じられました。特に、ダニー・ラモスが新たな「救世主」として描かれることに対して、従来の男性中心のストーリーテリングからの大きなシフトとして受け止められました。
また、ダニーがメキシコ人であることや、映画の一部がメキシコを舞台にしていることも、現代の多様性を反映したキャスティングと見られる一方で、一部の観客には「時流に乗っただけ」と感じられることもありました。これにより、映画が過度に現代の社会的なトレンドに迎合しているという批判が生じました。
さらに、映画全体のテーマとして、未来を変えるための新たなリーダーシップが必要であるというメッセージが強調されています。これも、従来のシリーズのファンにとっては、過去の作品との連続性やキャラクターの一貫性が失われていると感じられる部分です。このように、新たな要素を取り入れる一方で、従来のファン層からの反発も招く結果となりました。
これらの要素が重なり、『ターミネーター:ニュー・フェイト』がポリティカル・コレクトネスに偏りすぎていると感じる人々が出てきたと考えられます。それでも、映画が新しい視点や多様なキャラクターを取り入れることで、シリーズに新たな風を吹き込もうとした意図は明確です。
ターミネーターニューフェイト:続編
『ターミネーター:ニュー・フェイト』の続編については、いくつかの複雑な要因が絡んでいます。まず、『ニュー・フェイト』は興行収入が期待を下回り、批評家やファンからの評価も賛否両論でした。この結果、シリーズの今後に関する計画が不透明になっています。
『ニュー・フェイト』の公開前には、プロデューサーのジェームズ・キャメロンや監督のティム・ミラーは、続編の構想を持っていました。彼らは、新しいキャラクターや物語の展開を通じて、さらにシリーズを発展させる意欲を示していました。特に、新たな主人公であるダニー・ラモスの成長や、未来の戦いに焦点を当てたストーリーラインが考えられていたようです。
しかし、興行的な失敗や批判的な反応を受けて、続編の制作は不確定な状態に陥りました。多くの映画スタジオは、シリーズの方向性や投資のリスクを再評価する必要があると感じているため、具体的な計画が立てられていません。また、シリーズの権利問題やクリエイティブな方向性についても調整が必要です。
一方で、ターミネーターシリーズの持つ人気と影響力は依然として高いため、完全に続編の可能性が消えたわけではありません。新しいクリエイティブチームやスタジオが新たなアプローチでシリーズを再起動させる可能性もあります。特に、ストリーミングプラットフォームでの展開やスピンオフシリーズなど、異なる形式での続編制作が検討されるかもしれません。
現時点では、『ターミネーター:ニュー・フェイト』の直接的な続編に関する具体的な計画は発表されていませんが、シリーズ全体の将来については引き続き注目されることでしょう。ファンの反応や市場の動向に応じて、シリーズの新たな展開が模索される可能性は十分にあります。
ターミネーターニューフェイト:なぜ?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』が製作された理由は、シリーズを新たな方向に進め、旧作ファンと新しい観客の両方にアピールするためです。『ニュー・フェイト』は、特に『ターミネーター2』の直接の続編として位置づけられ、他の続編を無視する形でストーリーが展開されています。これにより、原作の魅力を再び取り戻し、新しい世代にターミネーターの物語を伝えることを目指しました。
映画には、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンや、T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーといったオリジナルキャストが再登場します。これは、ファンに対する大きなサービスであり、シリーズの原点回帰を強調する狙いがありました。また、ジェームズ・キャメロンがプロデューサーとして戻ってきたことで、映画に対する期待が高まりました。
ストーリーの中心には、新たな脅威と新しい救世主が登場します。これにより、シリーズのテーマである未来の戦いと人類の希望という要素が強調されています。特にダニー・ラモスという新キャラクターの登場は、物語に新しい視点を提供し、多様性と現代性を取り入れる意図が感じられます。このように、新旧の要素を融合させることで、シリーズのリブートを図ったのです。
しかし、『ニュー・フェイト』は興行収入や批評の面で期待を大きく下回りました。多くのファンが過去の作品との連続性を欠いていると感じ、一部の観客は新しいキャラクターやストーリー展開に違和感を覚えました。また、過度にポリティカル・コレクトネスに依存していると批判されることもありました。これらの要素が重なり、映画の評価が分かれる結果となりました。
それでも、『ニュー・フェイト』が製作された背景には、ターミネーターシリーズを再生し、新しい方向性を模索するという大きな意図がありました。シリーズの未来についてはまだ不透明ですが、今回の挑戦は映画業界におけるリブートや続編制作の一例として位置づけられます。今後の展開次第では、さらなる進化を遂げる可能性も残されています。
ターミネーターニューフェイト:面白い
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、シリーズの原点に立ち返りつつ、新しい要素を加えた点で面白い作品と評価されることがあります。特に、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンの復帰は、多くのファンにとって大きな魅力となりました。彼女の強烈な存在感とキャラクターの深みが、映画に一層の緊張感とリアリティをもたらしています。
また、新たに登場したキャラクター、グレースも注目すべきポイントです。彼女は強化兵士としての驚異的な能力を持ち、激しいアクションシーンを展開します。グレースの過去と彼女がなぜ未来から送り込まれたのかというミステリアスな背景が、ストーリーに深みを加えています。アクションシーンの質も高く、迫力ある戦闘シーンが観客を引きつけます。
新しい敵であるREV-9は、従来のターミネーターとは異なる進化した技術を持ち、観客に新たな恐怖を提供します。このターミネーターは、液体金属と固体フレームの両方を駆使することで、前代未聞の戦闘スタイルを見せます。この革新的な敵キャラクターは、ストーリーに予測不可能な要素を加え、緊張感を高めています。
物語の舞台がメキシコに移ったことも新鮮です。異なる文化や風景が、シリーズに新しい視覚的魅力を加えています。特にダニー・ラモスの家族との関係性や、彼女の成長物語が感情的な共鳴を生み出します。彼女が新たな救世主としての役割を見つける過程は、観客にとっても感動的な要素となっています。
さらに、映画全体に流れるテーマは、家族や自己犠牲、未来への希望といった普遍的なメッセージを持っています。これは、シリーズの中で一貫して描かれてきたテーマであり、観客に共感を呼び起こします。特に、T-800(カール)のキャラクターアークは、機械が人間らしい感情を持つというSFの醍醐味を感じさせます。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、シリーズのファンにとって懐かしさと新鮮さを同時に提供する作品です。過去の映画を尊重しながらも、新しい視点やキャラクターを取り入れることで、シリーズの未来を模索しています。このような試みが成功している点で、映画は多くの観客にとって興味深く、楽しめるものとなっています。
ターミネーターニューフェイト:興行収入
『ターミネーター:ニュー・フェイト』の興行収入は期待を下回る結果となりました。2019年11月1日に公開されたこの映画は、シリーズの再起を図るために多くの期待を集めましたが、世界的な興行成績は製作費やマーケティング費用を回収するには十分ではありませんでした。
公開初週末、北米では約2900万ドルの収益を上げましたが、これは予想を大きく下回るものでした。全世界での初週末収入は約1億2300万ドルとなり、これも期待には届きませんでした。映画の製作費が推定1億8500万ドルであり、さらにマーケティング費用が追加されると、映画が利益を出すためには少なくとも4億5000万ドル以上の収益が必要とされていました。
興行成績が振るわなかった理由の一つは、競合する映画の存在です。公開時期に他の大作映画も上映されており、観客の選択肢が広がっていたため、『ニュー・フェイト』に対する関心が分散しました。また、シリーズの過去作の評価が二分していたことも影響しました。特に、前作『ターミネーター:ジェニシス』が批評家と観客の両方から厳しい評価を受けていたため、新作に対する期待感が低下していたと考えられます。
さらに、プロモーション活動の効果が限定的だったことも興行成績に影響しました。リンダ・ハミルトンやアーノルド・シュワルツェネッガーといったオリジナルキャストの復帰が大きな話題となった一方で、新たなキャストやストーリーが十分に魅力を伝えきれなかった部分もあります。このため、シリーズのファン以外の新しい観客層を引き込むことが難しかったのです。
結果的に、『ターミネーター:ニュー・フェイト』は興行収入の面で成功を収めることができず、続編の計画も不透明なままとなりました。しかし、映画自体はシリーズに新たな視点をもたらし、ファンにとっては重要な作品として位置づけられています。興行収入の結果がどうであれ、映画の制作が持つ意義や挑戦は評価に値するものです。
ターミネーターニューフェイト:ジョンコナー 死亡
『ターミネーター:ニュー・フェイト』の冒頭でジョン・コナーが死亡するシーンは、多くのファンに衝撃を与えました。映画は1998年のグアテマラを舞台に、若き日のジョン・コナーがT-800によって突然殺される場面から始まります。この出来事は、『ターミネーター2』でサラとジョンがスカイネットの壊滅に成功した後の話です。彼の死は、シリーズの流れを大きく変えるものであり、従来の物語の延長線上にある観客にとって驚きと戸惑いをもたらしました。
このシーンは、シリーズの新たな方向性を示すためのものであり、旧作の結末に縛られずに新しい物語を展開する意図がありました。ジョンの死後、サラ・コナーは孤独と復讐心に満ちた生活を送ることになります。彼女はスカイネットの新たなターミネーターを追跡し続ける一方で、自分の人生の意味を見失いかけていました。
ジョン・コナーの死は、物語に深い感情的な影響を与えます。彼の死によって、未来が再び不確定なものとなり、新たな脅威が現れることになります。これは、ダニー・ラモスという新たな救世主の登場へとつながり、彼女がサラ・コナーや強化兵士グレースと共に戦うことになります。この新しいダイナミクスは、シリーズに新鮮な視点を提供し、旧作のテーマを継承しつつも新しい物語を展開しています。
批評家やファンの中には、ジョンの死に対して否定的な反応を示す人もいました。特に、『ターミネーター2』でジョンを守るために多大な努力を払ったサラの奮闘が無駄になったと感じる意見が多く見られました。この決定は、シリーズの長年のファンにとって受け入れ難いものであり、物語の連続性やキャラクターの成長を大切にしてきた人々には特に衝撃的でした。
それでも、ジョンの死は映画全体のテーマにとって重要な役割を果たしています。それは、未来が予測不可能であり、希望と絶望が常に交錯するというシリーズの根本的なメッセージを強調しています。新しい世代の登場と、過去の英雄たちが新たな形で物語に関与することで、シリーズは進化し続けています。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』におけるジョン・コナーの死は、シリーズの大胆なリブートを象徴するものであり、物語に新たな緊張感と目的をもたらしました。これにより、映画は新旧のファンに対して挑戦的なメッセージを投げかけ、新たな章を開くことに成功しています。