映画『見えない目撃者』では、主人公のなつめが突如として巻き込まれる連続女性誘拐事件を背景に、視覚障害がある彼女が社会の暗部に立ち向かう姿を描いています。この作品は、暴力シーンが目立つことからR16指定を受けており、特に中盤からは犯人による残忍な行為がリアルに描かれています。
警察が無力な中、なつめ自身が真実を追い求める過程で、視聴者にもその恐怖と緊張感が伝わる設計となっています。さらに、映画は盲導犬パルとの深い絆と、その結末についても重要な役割を果たし、視覚障害者の日常と非日常が交錯する中でのサスペンスを高めています。
見えない目撃者:気まずいシーン
R16で理由は”暴力シーン”となっています。前半は主人公のなつめが女性誘拐事件が起こっていると察知して、警察が相手にしてくれない中で自分で探そうとして行くシーンが主だったので大丈夫でした。それが中盤から連れ去られた少女らのいつ殺されるか分からない厳しい現状が浮き彫りになってから、過去の猟奇殺人のシーンも出て来たりと、どんどん重厚な感じになって行きます。
警察でのシーンでは遺体損壊写真も出て来たり、今回の事件で発覚した数人の女性たちの遺体のシーンや、犯行現場に祭られた遺体のパーツなど、かなりグロテスクなシーンも多くなってくるので、気まずいというよりも気持ち悪い感じを強く受ける人が出てくると思います。
見えない目撃者:グロさ
その隠れていた本当の犯人が、過去において最初に他者の特異な犯行に影響されて行った下りは、現実に起こってきた猟奇殺人事件を思い起こされ、気持ちの上でも犯人に対してのグロさをヒシヒシと感じさせられました。
また、犯人が若い女性ばかりを狙って反抗して行くのにも胸が悪くなってしまいます。とにかく後半では、犯人の家に警察がガサ入れした時に(少しのシーンですが)遺体損壊の映像が確認されたり、グロいシーンが点在していてゾッとさせられます。
見えない目撃者:犬 殺される
なつめといつも一緒に行動していたパルが犯人の凶行で胸のあたりを刺されて倒れてしまいます。パルは殺されてしまったのでしょうか?その時なつめも入院となって、次に病院のベッドで目を覚ました時の様子からは、パルが死んだのかどうかハッキリとは描かれていなくてもやっとしてしまいました。
それは、パルを必死で呼ぶなつめに対して、母親は「パルは病院」とだけしか言わないので、その後どうなったのか不明のままその後事件は何とか解決して、ラストの弟のお墓参りシーンで盲導犬が出てくる事となります。この時なつめがその連れている盲導犬に対して「パル」と呼びかけるので「えっ生きていたの?」と一瞬期待して見てしまいます。
しかしあれだけ大きなケガをして更に事件からそれ程経っていないとも思え、今普通に歩けているのを見ると2代目の”パル”なのかなぁと思ってしまいます。ただ”パルの死”について言及していない事から、あれからかなりの日数が経って、パルも何とか傷が癒え元気に動けるようになってからのお墓参りだと考える事もできそうに思えました。監督も動物の”死”を描きたくなくて、濁らせた表現になったのかもと想像します。
見えない目撃者:ありえない
映画で描かれる「ありえない部分」としては、以下の点が挙げられます:
1. 視覚障害者の描写:視覚障害を持つ主人公が犯罪現場で目撃した情報を詳細に覚えている部分などが非現実的に感じるかもしれません。視覚障害者は聴覚や触覚など他の感覚を鋭敏に使いますが、映画ではこれが過剰に描かれることがあり、現実の視覚障害者の能力を誇張して表現されていると感じる視聴者もいるかもしれません。
2. 事件の展開と解決:サスペンス映画特有の高度な偶然やタイミングの良さなど、現実ではなかなかあり得ないような展開が含まれていることがあります。特に、主人公が犯人を追い詰めるシーンなどは、映画的な演出が強調されており、現実離れしていると感じる部分もあるでしょう。
3. 警察の捜査方法:映画では、警察の捜査が現実のものと異なる場合があります。例えば、証拠の取り扱いや捜査の進行方法などが、現実の警察のプロトコルや手順と異なることが描かれることが多いです。これは視聴者にドラマチックな印象を与えるための演出と言えますが、現実の警察活動とはかけ離れている場合があります。
見えない目撃者:実話
『見えない目撃者』は実話に基づいているわけではありません。この映画はフィクションのサスペンス作品で、2011年の韓国映画『ブラインド』を原作としています。『ブラインド』もまた架空のストーリーに基づいた映画で、視覚障害を持つ主人公が殺人事件の唯一の目撃者となり、その解決に向けて奮闘する物語です。
日本版『見えない目撃者』では、同様に吉岡里帆さん演じる視覚障害を持つ元警察学校の学生が、偶然目撃した事件を通じて真実を追求するプロットが描かれています。この作品は、リメイク元の韓国映画同様、視覚障害者の視点を通して緊張感あふれる展開を見せる点で注目されていますが、いずれの映画も実際の出来事に基づいて作られたわけではなく、完全な創作物です。
見えない目撃者:犬のパル生きてる
『見えない目撃者』において、「パル」とは主人公・浜崎あかり(吉岡里帆)の盲導犬の名前です。映画の中でパルは重要な役割を果たし、視覚障害を持つあかりを支えるだけでなく、彼女の安全を守るために活躍します。あかりが目撃した事件において、パルもまた重要なキーポイントに関わってきます。
映画の展開において、パルは終盤で事件に巻き込まれる危険な状況に遭遇しますが、彼は生存して物語を完結します。パルの存在は、あかりが直面する困難を乗り越える上で精神的な支えとなり、視聴者にとっても感情的なつながりを提供する要素となっています。
盲導犬としての役割を超えて、パルはあかりの情緒的なサポートとしても描かれ、彼女の孤独や恐怖を和らげる存在として重要です。映画はパルとあかりの絆を深く掘り下げ、視覚障害者と盲導犬の重要な関係を浮き彫りにします。
見えない目撃者:犯人 日下部
日下部の最初の印象は爽やかな警察官って感じでしたが、犯人だと分かってからの冷たい表情が何とも言えず嫌な感じでした。また、なつめを追いつめる時然り、無表情のまま淡々と犯行を行って行く姿はもうサイコパスの域で怖かったです。
この大事な役をみごと演じ切っているのが浅香航大さんで、「マッサン」や「ひよっこ」など沢山のドラマや映画で活躍されていて、私には「今夜はコの字で」のサラリーマン姿も強く印象に残っていたので、本作でこんなに冷酷な役柄にも挑戦されていたのだと一番の注目人物でした。
見えない目撃者:犯人 俳優
映画『見えない目撃者』における犯人役を演じたのは、俳優の浅香航大です。浅香航大は日本を代表する実力派俳優の一人であり、多くの映画やテレビドラマで幅広い役を演じています。『見えない目撃者』では、彼の演技力が犯人という重要なキャラクターを通じて、映画の緊張感を一層高める要素として機能しています。