映画『真夏の方程式』は、東野圭吾の人気シリーズ「ガリレオ」に基づいて制作された作品ですが、観客からは賛否両論の声が上がっています。一部の視聴者は、物語の展開が地味で後味が悪いと感じ、特に事件の動機やキャラクターの行動に納得できなかったと述べています。
物語は、静岡県の架空の町で起こる一連の不可解な死とその背後に隠された真実を追う、湯川学教授の冷静な推理を中心に展開されます。しかし、その中で描かれる人間ドラマや謎解きの過程について、見る人によって受ける印象が大きく異なるようです。本作は科学と人間性が交錯する複雑な物語を通じて、視聴者にさまざまな思索を促す一作となっています。
真夏の方程式:ひどい
このシリーズものは観て来たハズなのに、”真夏の方程式”は余り記憶に残っていない(興味深く観れなかった)事に気づき今回再度じっくりと観てみた作品です。
ネットでは賛否両論あったようで、ひどいと感じた人たちの中には、後味が悪かったとか地味なストーリー展開に入り込めなかった様な意見が見られました。実際、その殺人に至る経緯が軽いというか、そこに至るまでの感情に私も余り同意しにくかった感がありました。
それと、成実は冒頭の海底鉱物資源開発の説明会で、地元の海を守ろうと先頭を切って反対意見をぶつける程で、その行動力の強さや筋の通った逞しさを感じさせられたのですが、いくら美しい海を守って恩返しがしたいという強い気持ちがあったとしても、過去(子供時代)に殺人を犯して傷を持つ人間とは全く感じられず、個人的にはちょっと各人物設定が少々ひどい感じを持ってしまいました。
真夏の方程式:節子 クズ
節子がクズと言われるのはどういった部分からなのでしょうか。事の発端は節子が仙波と不倫をしていた事だと思いました。次にはその事で節子をゆすろうとしてやってきた伸子の欲深い行動、そして元刑事の塚原が当時の事件を調べに来て真実が明るみに出る事を恐れて、安直に(と見えてしまった)殺害してしまった重治の行動といった事柄が年数を経ても次々と連鎖して行く怖さが現れていました。
その節子のまわりで事件が起こっている点に”節子クズ説”が起こっているのでしょう。私は恭平を巻き込んだ件でも”重治もクズ説”を追加したい気持ちでいっぱいです。話はズレますが時々節子の若い頃のシーンが出てきますが、今の風吹ジュンさんが演じられているのですよね?確かに色のトーンを暗めにしてぼかしてはいる感じはしますが、それでも当時の若かりし頃のジュンさんを彷彿とさせられ、今も健在な美しさと可愛さを再確認させられるのでした。
真夏の方程式:恭平 かわいそう
恭平がかわいそうという意見が沢山見られます。それは小さな子供が大人の事件に巻き込まれてしまっている事だと思います。彼は何も知らず重治に言われるがまま、足の悪い重治を助ける為に煙突に蓋をしてしまいます。
そしてその事が原因で元刑事の塚原が一酸化炭素中毒で亡くなってしまうのでした。恭平が犯罪の片棒を担がされた形になっていて、逆に重治はどうしてそんな役割を恭平にさせたのか謎が残りました。深い意味があったのか、ただただ成実の事を隠したいという焦った気持ちから安易に子供を巻き込んでしまったのか、気になる点でした。
しかし映画の最後で、恭平は自分の行動で何が起こったのか理解しているのが切な過ぎで、いくら”ハカセ”(湯川先生)が「一緒に悩み、考える。」と言っても傍で見てあげられる訳でもなく、ちょっと厳しく映ってしまいました。
真夏の方程式:ネタバレ
映画『真夏の方程式』は東野圭吾の同名小説を原作とした作品で、主人公の湯川学が解き明かす事件が描かれています。以下はその物語の概要と核心的なネタバレです。
物語の概要
物語は、物理学者の湯川学が、静岡県の架空の町・春日浦で発生した謎の死亡事件を解決する過程を描いています。湯川は友人の草薙と共に、この事件の捜査に乗り出します。
ネタバレと結末
事件の犠牲者は海辺で死んでいるのが発見され、当初は事故死または自殺と思われていました。しかし、湯川の鋭い洞察により、死因がヘリウムガスによる窒息死であることが判明します。これにより、事件は殺人事件として捜査の方向が転換します。
事件の真相は、地元の実業家である会長の過去の秘密と関連していました。犯人はその秘密を握り、会長を脅迫していた人物でした。最終的に湯川は犯人を特定し、地元の警察と共に犯人を逮捕します。しかし、この過程で湯川自身も危険にさらされることになります。
事件解決後、湯川は再び静かな研究生活に戻ることを望みますが、彼の周りでは常に新たな謎が待ち受けていることが示唆されています。
この映画は、複雑な科学的知識と人間ドラマが絡み合う、東野圭吾のミステリー作品の魅力をよく表しています。興味がある方はぜひ映画をご覧になって、湯川の冷静かつ鋭い洞察を楽しんでください。