【閲覧注意】映画『ヴィジット』の気まずすぎるシーンを振り返る!

「『ヴィジット』ってなんか気まずいシーンあったよね…」「あのシーンの意図は何だったの？」そう思っていませんか？ シャマラン監督の傑作ホラー『ヴィジット』は、気味の悪いシーンが満載で、観ていると背筋がゾッとする瞬間が何度も訪れます。 この記事では、映画『ヴィジット』で特に気まずいと感じるシーンを徹底的に解説し、その背後にある意味や監督の意図に迫ります。ただのホラーではない、心理的な恐怖を味わえる『ヴィジット』の世界を、一緒に覗いてみましょう。

映画『ヴィジット』ってどんな映画？

「映画『ヴィジット』ってどんな映画？」「面白そうだけど、ちょっと怖いのは苦手…」そんな風に思っていませんか？

この章では、そんな方のために『ヴィジット』がどんな映画なのか、基本情報やあらすじを交えながら解説していきます。

基本情報

まずは、『ヴィジット』の基本情報を見ていきましょう。

タイトル	監督	脚本	製作	製作会社	配給	公開日	上映時間
ヴィジット	M・ナイト・シャマラン	M・ナイト・シャマラン	M・ナイト・シャマラン ジェイソン・ブラム マーク・ビエンストック	ブラムハウス・プロダクション	ユニバーサル・ピクチャーズ	2015年9月11日（アメリカ） 2015年10月24日（日本）	94分

監督・脚本は、あの『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン。製作には、低予算ホラーを得意とするブラムハウス・プロダクションが携わっています。これらのことから、「『ヴィジット』は、巧みなストーリー展開と予測不能な恐怖が楽しめる作品」ということが分かります。

あらすじ

ペンシルベニア州に住む15歳の姉ベッカと13歳の弟タイラー。2人は、長い間疎遠だった祖父母の家に1週間滞在することになります。都会育ちの2人にとって、田舎の古い大きな家は、どこか物々しく、異質な空気が漂っていました。

優しいおばあちゃんと、少し変わったおじいちゃん。最初は歓迎ムードだった祖父母でしたが、日が経つにつれて不可解な行動を繰り返すように。特に、夜は「絶対に部屋から出てはいけない」という奇妙なルールがあり、2人は不安を募らせていきます。

やがて、2人は祖父母の恐ろしい秘密を知ることになり…。

このように、『ヴィジット』は、一見よくあるホラー映画の設定と思いきや、「家族」という身近な存在の恐ろしさを描き出している点が特徴です。その恐怖は、単なるモンスターや幽霊の比ではありません。なぜなら、私たちは「家族だから」という理由で、無意識のうちに、ある程度の信頼を寄せているからです。

そして、もう一つ忘れてはいけないのが、本作は「ファウンド・フッテージ」という手法で撮影されている点です。これは、登場人物の一人がハンディカメラで撮影した映像を編集したかのような、ドキュメンタリータッチの映像で物語が進行していく手法のこと。臨場感あふれる映像は、観客をより一層恐怖の渦へと巻き込んでいきます。

『ヴィジット』で気まずすぎるシーンを徹底解説！

一見、心温まる家族ドラマかと思いきや、背筋がゾッとする展開を見せるホラー映画『ヴィジット』。監督は『シックス・センス』や『ハプニング』など、心理的にゾッとする作品を得意とするM・ナイト・シャマランです。今回は、そんな『ヴィジット』で特に気まずいと感じるシーンを徹底解説！ラストの衝撃の展開まで、ネタバレ注意で詳しく見ていきましょう。

①おばあちゃんの異様な行動

都会に住むベッカとタイラーの姉弟は、シングルマザーのママと暮らしています。ママは長年、自分の両親と絶縁状態でしたが、ある日、祖父母が会いたがっていると知り、姉弟を連れて彼らの元を訪ねることを決意。ペンシルベニア州の田舎町にある祖父母の家で1週間を過ごすことになります。

優しい祖父と、料理上手な祖母。最初は歓迎ムード一色だった祖父母でしたが、夜になると様子が一変。特に、おばあちゃんの不可解な行動に、視聴者は徐々に恐怖を感じ始めます。

・夜中の徘徊と奇行

日が暮れてからの異様な行動の数々は、本作の恐怖を象徴するシーンと言えるでしょう。家の中を全裸で徘徊したり、オーブンの中に入って何かを焼こうとしたり…。その姿は狂気を帯びており、見ているこちらが思わず顔を背けたくなるほどです。

時間帯	おばあちゃんの行動
21時以降	家中を歩き回り、壁に体当たりをする
深夜0時頃	キッチンで生肉にかぶりつく
深夜3時頃	泣きながらタイラーに助けを求める

これらの不可解な行動は、昼間の優しいおばあちゃんの姿からは想像もできないものばかり。そのギャップが恐怖をさらに増幅させています。一体、おばあちゃんに何が起きているのか？ 視聴者は、この謎を解き明かそうと、より一層作品にのめり込んでいくのです。

・過剰なまでの愛情表現

日中の優しすぎるほどの愛情表現も、次第に恐怖に変わっていきます。孫であるベッカとタイラーに執着し、過剰なスキンシップを求めてくる様子は、純粋な愛情表現とは言い難いものがあります。

例えば、ベッカに対しては、無理やり服を脱がせて体を洗おうとしたり、自分の昔着ていたウェディングドレスを着せようとしたりします。特に、ウェディングドレスのシーンは、おばあちゃんの異常性が顕著に表れており、見ているこちらも強い不快感を覚えます。

これらの行動は、単なる老人の奇行として片付けるにはあまりにも異質で、何か底深い闇を感じずにはいられません。

②ママへのビデオレター

姉弟は、記録として滞在中の様子をビデオカメラに収めていました。その中で、ママに現在の状況を伝えるビデオレターを送るシーンがあります。一見、微笑ましい家族の交流を描いているようですが、よく見ると、このビデオレターのシーンにも、違和感や恐怖を感じさせる要素が散りばめられています。

・徐々に変化する姉弟の様子

ビデオレターを通して、ママと連絡を取り合う姉弟。しかし、回を追うごとに、2人の様子が変化していく様子が見て取れます。最初は、祖父母との再会を喜んでいた2人でしたが、日に日に笑顔が減り、表情は硬くなっていくのです。特に、タイラーは、精神的に不安定な状態に陥り、見ていて痛々しいほどです。

ビデオレターを通して、子供たちの異変を感じ取ったママは、テレビ電話で直接、子供たちに危険が迫っていることを伝えようとします。しかし、その試みは失敗に終わり、観客は、さらに不安な気持ちにさせられます。

・不穏な編集と演出

ビデオレターの編集と演出も、このシーンの不穏さを際立たせる要素の一つと言えるでしょう。 idyllicな風景とは裏腹に、画面の端々に不気味な影が映り込んだり、意味深なカットが挿入されたりします。これらの演出によって、観客は、一見平和に見える祖父母の家に、何か恐ろしいものが潜んでいることを予感させられるのです。

③地下室の恐怖

古びた一軒家には、よくある怖いものの一つである「地下室」の存在。本作でも、この地下室が恐怖の舞台として描かれています。そして、この地下室で起こる出来事が、物語を大きく動かしていくことになるのです。

・禁断の空間

祖父母は、姉弟に「地下室には行ってはいけない」と告げていました。しかし、ある出来事をきっかけに、タイラーは地下室へと足を踏み入れてしまいます。薄暗く、じめじめとした地下室の空気は、それだけで不気味な雰囲気を醸し出しています。そして、そこでタイラーが目にしたものは…。

・衝撃の真実

地下室で見つけたものによって、今まで祖父母だと思っていた2人に関する衝撃の真実が明らかになります。それは、2人は、本物の祖父母ではなく、精神病院から脱走してきた患者だったということ。この事実は、観客に衝撃を与えるとともに、これまでのシーンの不気味さをさらに増幅させる効果があります。

④まさかの正体

物語が終盤に差し掛かるにつれて、祖父母の正体が明らかになります。彼らは、本物の祖父母になりすましていた全くの別人だったのです。その正体と、彼らがこのような行動を取っていた目的が明らかになるシーンは、恐怖と衝撃に満ちています。

・精神病院からの脱走患者

偽の祖父母は、近くの精神病院から脱走してきた患者でした。彼らは、自分たちのことを本当の祖父母だと信じ込ませ、姉弟に危害を加えようとします。その姿は狂気に満ちており、見ているこちらが恐怖におののくほどです。

・目的不明の行動

なぜ、彼らはこんなにも恐ろしい行動をとるのか？ その目的は、映画を見終わっても明確には語られません。しかし、正体不明であるがゆえに、彼らの行動はより一層不気味で、観客の恐怖心を煽る結果となっています。

『ヴィジット』は、単なるホラー映画ではなく、家族の絆や、老い、そして狂気といった、人間の根源的な恐怖を描いた作品と言えるでしょう。気まずく、そして恐ろしいシーンの数々は、観る者を深い恐怖の底へと突き落とします。

気まずいだけじゃない！『ヴィジット』の魅力

『ヴィジット』はただ気まずいだけの映画ではありません。ハラハラドキドキの展開や、ラスト数分で明かされる衝撃の真実は、一度観たら忘れられない後味を残します。ここからは、気まずさだけではない『ヴィジット』の魅力を3つのポイントに絞って解説します。

1. リアリティとフィクションの絶妙なバランス

本作は、一見普通の家族の記録映像風でありながら、徐々に不穏な空気が漂い始め、最終的には恐怖映画へと変貌を遂げていく点が特徴です。このリアリティとフィクションの絶妙なバランスが、観る者を惹きつけます。観客は、主人公の子供たちと同じ目線で、祖父母の異様な行動を目撃し、次第に恐怖を感じ始めます。しかし、それが現実なのか、子供たちの勘違いなのか、最後まで判断がつかない緊張感が続きます。

2. 巧みな伏線とどんでん返し

『ヴィジット』は、随所に散りばめられた伏線が巧みに回収され、ラストには衝撃のどんでん返しが待ち受けています。例えば、おばあちゃんが夜中にキッチンで何かを焼いているシーンや、地下室に入っていくシーンなど、一見何気ない行動が、実は重要な意味を持っていたことが後から分かります。そして、終盤で明かされる祖父母の正体は、予想をはるかに超える衝撃を与え、観客を恐怖のどん底に突き落とします。この巧みなストーリー展開こそが、『ヴィジット』の最大の魅力と言えるでしょう。

3. 考えさせられる家族のあり方

『ヴィジット』は、単なるホラー映画ではなく、家族のあり方について考えさせられる作品でもあります。主人公の母親は、長年疎遠だった自分の両親と子供たちを会わせることで、過去のわだかまりを解消しようとします。しかし、その試みは悲劇的な結末を迎えます。家族とは何か、親子とは何か、映画を観終わった後も、様々な問いが心に残り続けます。

まとめ

『ヴィジット』は気まずいシーンが多いホラー映画である。祖父母の異様な行動の数々は、観客に強烈な印象を与える。特に、おばあちゃんの全裸で追いかけてくるシーンや、ママへのビデオレターの内容はトラウマレベルである。しかし、単なるホラー映画ではなく、家族の絆や愛情を描いている作品でもある。観客は、主人公の兄妹が恐怖体験を通して成長していく姿に感動するだろう。また、随所に散りばめられたユーモア要素も見逃せない。特に、兄の撮影するドキュメンタリー映像は、緊張感漂うシーンの中で笑いを誘う。そして、ラストに明かされる衝撃の真実は、観客に深い余韻を残すだろう。観終わった後も、家族の大切さについて考えさせられる作品である。