アニメ『BANANA FISH』に対する評価は、非常に分かれる傾向にあります。一部の原作ファンからは高く評価されている一方で、アニメ版には「ひどい」と感じる視聴者もいます。この記事では、アニメが特定の視聴者にとって受け入れがたいとされる理由を深掘りし、その要因を探ってみます。特に、アニメの表現方法やテーマに対する反応を詳しく検証し、なぜこれほどまでに意見が分かれるのかを考察します。
バナナフィッシュ:アニメひどい
原作ファンの人には高評価の人が多いように感じていますが、確かに「ひどい」という感想を持つ方もそれなりにいそうです。評価が大きく分かれる作品のようでもあります。それではひどいと感じる部分はどこなのか考察してみました。
BLとかホモとかが気になって嫌だったという意見も見られますが、背景がアメリカの負の部分である少年を性の対象としてしまう犯罪の様子が随所に出てくる気持ち悪さがあったのかも知れません。その世界を生き抜いてきたアッシュの呪いの様に事あるごとに襲ってくるその苦悩と、全く違う平和な世界に住んでいた英二との奇跡の出会いがテーマの1つだと思っています。
BLと言われるのは、そのアッシュと英二の”無償の愛”が織り込まれているからだと思います。私はこの作品の根底に流れる、性別を越えた人間同士の崇高な愛を感じさせられる点が気に入っていて、ただのBLアニメだ等の反対意見の方はぜひ原作をゆっくりと読み解いて欲しいと願っています。
バナナフィッシュ:あらすじ
「BANANA FISH」というアニメは、1980年代のニューヨークを舞台にした、吉田秋生による同名のマンガを原作としています。物語の中心にいるのは、若くしてストリートギャングのリーダーとなった天才的な美少年、アッシュ・リンクスです。
アッシュの兄は、イラク戦争で謎の言葉「バナナフィッシュ」と叫んだまま狂ってしまい、アッシュはその言葉の真意と兄に何が起きたのかを探求することになります。この謎の言葉は、驚くべき秘密を秘めた「バナナフィッシュ」という名の薬物と関連があることが明らかになります。
アッシュは日本からの若いジャーナリスト助手、奥村英二と出会い、二人はやがて信頼し合う深い絆を築きます。彼らは、アッシュの敵であるマフィア、政府の腐敗した職員、そしてアッシュの過去を知る様々な人物に立ち向かいながら、「バナナフィッシュ」の謎を追います。
このアニメは、ギャング間の抗争、政治的な陰謀、そして人間の暗部に迫る心理的な要素が織り交ぜられています。アッシュと英二の関係性が物語の心情的な核となり、視聴者に感動と緊張を与えるシリーズです。クライムドラマの要素に加え、友情、愛、裏切り、救済といった普遍的なテーマを扱っていることも特徴の一つです。
バナナフィッシュ:気持ち悪い
児童ポルノとか性的虐待がオブラートに包まれず各所に描かれているのが目を引き、それが気持ち悪いと思われる1つの点ではないでしょうか。
こういった情報に接点のなかった人たちには、衝撃的な内容に映るかもしれません。しかし、専門職につく職員の入所者に対するひどい暴力や性犯罪のニュースをよく目にするようになってしまった現代の日本では、それなりに覚悟を持って観て行ける内容だと思っています。
バナナフィッシュ:アニメ原作違い
原作アニメが1985~1994年に連載されていた物なので、時代背景が少々変化しています。細かな所では、原作では初めてアッシュと英二が出会ったシーンでショーターが「ここは危険だ」とやって来るのですが、アニメ版ではアッシュのスマホに電話がかかってくるシーンに変わっています。スマホとかタブレットなど今の技術が取り入れられた表現に変わっています。
ショーターはレーサーレプリカ様のバイクに乗っていましたが、当時もそのタイプのバイクは十分に出回っていたと思いますが、このダウンタウンの雰囲気から考えると原作に出て来るバイクのように、昔ながらのネイキッドバイクのままで良かった気もしています。また、アッシュの兄が原作ではベトナム戦争に行っていた所が、アニメではイラク戦争に変わっています。
ストーリー展開としては、当然ですが原作の方が各人の背景や対話などじっくりと表現されているのですが、アニメでは細かな部分はカットされテンポよく進んで行っている感じがしました。先ずはアニメを観て気に入ったら原作を読んで見るのも良いかも知れません。
しかしなにぶん古い漫画なので、最初の方は作画のタッチがまだまだ洗練されていない感があり、それが回が進む程にどんどんスタイリッシュになって行きます。その原作も最初からハードボイルド映画を観ているかのような表現で、そのストーリー展開やカット割りなど少女漫画とは思えない内容に魅了されます。しかし、何といっても結末だけは変更されないのが悲しい点でした。まぁ彼(アッシュ)のしてきた事、英二をこれ以上巻き込まない事を考えると、そのような結末以外は考えられない気もしますが・・。