映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ！」は、長年の人気を誇る「踊る大捜査線」シリーズの第3作目として、青島俊作をはじめとするおなじみのキャラクターたちが再び登場するアクション映画です。物語は、新湾岸署への引っ越しを舞台に、警察組織内部の腐敗や凶悪犯の脱走を描き、青島たちが次々と発生する事件に立ち向かう姿を描きます。犯人として登場する日向真奈美（小泉今日子）は、湾岸署を混乱に陥れようとするテロリストで、彼女の陰謀と警察組織の闇が徐々に明らかになるストーリーが展開されます。
しかしながら、ストーリー展開のテンポやキャラクターの扱いに対して、一部の観客から批判的な意見が寄せられたこともあり、特に過去作との比較で期待に達しなかったとの声も聞かれます。それでも、シリーズファンにとってはキャスト陣の再結集が魅力となり、社会的テーマや組織の問題点に鋭く切り込む姿勢が評価される部分もありました。
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ キャスト
- 織田裕二：青島俊作（強行犯係 係長）
- 柳葉敏郎：室井慎次（警視庁刑事部参事官）
- 深津絵里：恩田すみれ（青島の同僚）
- ユースケ・サンタマリア：真下正義（警視庁警備部）
- 伊藤淳史：和久伸次郎（新しく登場した和久平八郎の孫）
- 内田有紀：篠原夏美（真下の部下）
- 小栗旬：鳥飼誠一（警視庁刑事部捜査一課管理補佐官）
- 小泉孝太郎：小池茂（新湾岸署の刑事）
- 北村総一朗：袴田健吾（警視庁警察署長）
- 甲本雅裕：秋山晴彦
- 遠山俊也：町田透
- 佐戸井けん太：袴田健吾
- 小林すすむ：袴田勤
- 斉藤暁：魚住二郎
- 小野武彦：袴田厳
- 高杉亘：磯村誠二
- 松重豊：田口翔太
- ムロツヨシ：脇坂一郎
- 伊集院光：警察官
- 稲垣吾郎：犯人役
- 岡村隆史：交番勤務の警察官
- 森廉：片山雲太郎
- 小木茂光：警察幹部
- 小泉今日子：犯人
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ あらすじ
物語は、前作「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ！」から7年後の世界です。湾岸署では新たにセキュリティ設備が強化された「新湾岸署」への移転が進行中。強行犯係係長に昇格した青島俊作（織田裕二）は、新湾岸署への引っ越し作業のリーダーを任されます。しかし、その矢先に湾岸署内で次々と事件が発生します。
新湾岸署への開署式を3日後に控える中、湾岸署の管理区域で8件もの事件が同時発生し、署員たちは対応に追われます。さらに、旧湾岸署に収容されていた凶悪犯たちが脱走を図り、署内外での混乱が広がっていきます。青島は部下とともに事件を解決しつつ、新湾岸署への引っ越しを無事に終えることができるのか、という緊張感が物語の中心です。
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ ネタバレ
湾岸署内での混乱が拡大し、旧湾岸署に収容されていた凶悪犯が脱走します。この脱走劇は、何者かによって綿密に計画されたものであり、その背後には、警察組織の闇が隠されています。脱走犯の中には、かつて湾岸署が逮捕したテロリストも含まれており、警察内部の腐敗や組織の不祥事が絡んでいることが徐々に明らかになります。
物語のクライマックスでは、室井慎次（柳葉敏郎）や真下正義（ユースケ・サンタマリア）などの主要キャラクターたちが協力し、凶悪犯たちの逃亡を阻止するために動きます。青島たちは激しい戦いを繰り広げながらも、ついに犯人たちを逮捕することに成功します。しかし、その過程で警察組織の腐敗や無責任な上層部との対立が浮き彫りとなり、警察内部に大きな課題が残されます。
映画は、青島が新湾岸署への引っ越しを無事に終え、全ての事件が解決されたかのように見えますが、警察組織の内部問題や改革の必要性を強く示唆する結末で締めくくられます。
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ 犯人
映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ！」の犯人は、複数の要素が絡んでおり、ストーリーの中で様々な事件が同時進行していますが、中心的な敵対者として描かれるのは、小泉今日子演じる「日向真奈美」という女性テロリストです。彼女はテロリストのリーダーで、湾岸署を混乱に陥れるために計画を立て、複数の事件を引き起こします。
日向真奈美は、かつて湾岸署に逮捕された凶悪犯であり、脱走を試みる凶悪犯たちの逃亡劇にも関与しています。彼女の背後には警察内部の腐敗が関係しており、テロリストと警察組織の間に深い闇が存在することが徐々に明らかになります。青島たちの活躍によって日向真奈美は捕らえられますが、その過程で警察組織の問題点も浮き彫りになり、物語の緊張感を高めています。
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ ひどい
映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ！」について「ひどい」とする意見がある理由はいくつかあります。
- ストーリー展開の問題
この映画では、複数の事件が同時に発生し、その解決に向けたスリリングな展開が描かれていますが、ストーリーの複雑さとテンポの悪さが一部の視聴者から批判されています。特に、「新湾岸署への引っ越し」といった比較的日常的な出来事に対して、大きな事件が絡むことで、緊張感がかえって薄れていると感じた観客も多かったようです。また、事件解決の過程が前作ほどスリリングでないという意見もありました。 - キャラクターの扱いに対する不満
映画シリーズを通じて愛されてきたキャラクターたちが多く登場する一方で、主要キャラクターの活躍が十分に描かれず、特に新キャラクターに焦点が当たりすぎたという批判もあります。例えば、小栗旬や伊藤淳史ら新しいメンバーの存在が際立つ一方で、青島や室井といったおなじみのキャラクターの存在感が薄いと感じた観客がいました。 - 過去作との比較
「踊る大捜査線」シリーズの過去作品、特に「THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ！」が非常に高く評価されていたため、それに比べて本作が期待外れだったという意見が多く見られました。前作が持っていた緊張感やスケール感に比べて、本作はやや盛り上がりに欠けるとの指摘がありました。
こうした理由から、一部のファンや観客は映画に対して不満を抱いたり、「ひどい」と感じた部分があったと考えられます。しかし、同時に長年のファンによる支持も多く、全体的な評価は分かれています。
踊る大捜査線 the movie3 ヤツらを解放せよ 考察
映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ！」は、警察内部の腐敗や組織改革の必要性といったテーマを強く描いています。物語は、凶悪犯の脱走と湾岸署の新しい施設への移転が絡み合い、青島らがその対応に追われるという一連の事件を通じて展開します。しかし、単なる事件解決だけでなく、青島が直面する組織の問題がこの作品の大きな焦点となっています。
特に警察内部の対立や腐敗が浮き彫りにされており、上層部の無責任さや現場との乖離が描かれています。これにより、主人公の青島が信じてきた正義や現場主義と、現実の警察組織が抱える問題が対立する構図が明確になっています。この点で、映画は社会的なメッセージを投げかけており、組織の中で働く人々が感じるフラストレーションや葛藤がテーマのひとつになっています。
また、新たに登場したキャラクターや凶悪犯の計画は、映画のサスペンス要素を強化していますが、過去のキャラクターたちの扱いについては一部のファンから不満もありました。特に、過去作に比べて主要キャラクターの活躍が控えめであり、新キャラクターに焦点が移ったことで、シリーズの伝統的なダイナミズムが失われたと感じた人も多いようです。
結末では、事件自体は解決されるものの、警察組織の改革が必要であることが強調され、完全なハッピーエンドとは言えない形で物語が締めくくられます。この点で、本作は単なるエンターテイメント映画以上に、警察組織の現実や社会問題を考えさせる作品となっています。
